なり手不足・市民無関心…あらわな足利

統一地方選挙2023

根岸敦生
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 【栃木】23日投開票の足利市議選は定数24に対して候補者は25人だけ。低調な選挙戦を反映し、投票率は前回比で6・68ポイント低下し、通常選挙では過去最低の39・66%。県南の小山市議選と比較しても、足利市の「縮小再生産」傾向がみえた。

 目立った争点はなかったものの、市議が4年間に取り組まなくてはいけない課題は山積みだ。耐震強度が不足する市庁舎の建て替え、ゴミ処理場の更新は必須で、取り壊した市民会館の再建、老朽化する公共施設や小中学校の統廃合も視野に入る。少子高齢化と人口減少が進み、定数削減など「痛み」を伴う判断もある。市長と二元代表制の責任を負う市議会の資質が問われる課題ばかりだ。

 市議選を戦った小林貴弘市議は「選挙後半戦は『私でなくてもいいから投票に行って』と訴えた」という。有効投票数が増えれば、当選に必要な法定得票数が増えるからだ。資質による「足切り」ができる。小林市議は「今回は自分自身と市民の無関心が『敵』だった」と振り返った。

 自民党足利支部の幹事長で7期目の渡辺悟市議は「なり手不足が深刻なのを実感した。次の選挙に向け、若手が出てくるような環境づくりを急がないと」と話す。「自民党が国で巨大といっても支えているのは地方。足腰をしっかり固めないといけない」。5期目の栗原収市議も「定数24の市議会で3分の1が入れ替わった。普通の会社なら一大事。議員バッジを付けることではなく、市議になって何をするのかがゴール。一日も早く新人議員が成長できるよう力を尽くしたい」と話す。

 「選挙になって民意のフィルターが必要」と話していた早川尚秀市長。新しい議会と向き合うことになって、「結果を民意と受け止めている」と話す。「やらなければいけない課題を解決するために頑張らないといけない。議会の空転からの市政の停滞はできない」と改めて話した。根岸敦生

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