足利市が市立小、中学校向けに「電子図書館」開館 県内2例目

根岸敦生
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 栃木県足利市は、市立の小中学校の児童生徒に貸与されているタブレット端末などで本を借りて読むことができる電子図書館「たかうじライブラリー」を始めた。県内では矢板市に続いて2例目。足利市教育委員会は「本に親しむきっかけに」と話している。

 「たかうじライブラリー」に用意された本は3千冊。1回に借りられるのは1人1冊で、貸し出しは2週間。利用できるのは児童生徒約9400人と教職員約900人。学校のIT化を進める「GIGAスクール構想」で配ったタブレット端末のほか、各世帯のパソコン、スマホでもアクセスできる。事業費は総額約1252万円で、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金をあてた。

 蔵書は、英語学習向けに「ハリーポッターが英語で楽しく読める本」「星の王子さま」など約100冊▽「13歳からの地政学」「少年少女日本の歴史」など図鑑、辞典、学習参考書など約800冊▽「小説二ノ国」「3分後にゾッとする話」など児童書や絵本など約700冊▽著作権が消滅した書籍などを収める「青空文庫」から約500冊など多彩に用意した。

 市教委は「本の読み方を多様化するのが狙い」といい、読書のほか、自主学習で資料を探したい時にすぐ検索して活用してもらうことも期待する。「図鑑類も蔵書に収めたので、利用する子供が多くいるのではないか」と話す。貸し出し状況などを見て、蔵書の入れ替えも検討する。

 運用が始まった1月30日、市立梁田小学校で授業が公開され、4年生の児童らは「図書室の本と比べてきれいなのがいい」「図鑑など画面を大きくできるので見やすい」と早速使いこなしていた。

 同小の槇田剛志教諭によると、毎朝の読書の時間に子供たちは活用していて「まだ紙の本に戻っている児童はいない」と話す。「自宅でもスマホで読んでいる子もいる」といい、活用が少しずつ定着しているようだ。

 2020年10月から学校電子図書館「ともなりライブラリー」を導入している矢板市教委によると、約2050人の児童生徒が対象で、閲覧累計回数は17万566回、貸出数は11万9648回(いずれも1月27日現在)だという。人気の本は「絵本が多く、歴史まんがも読まれている」と分析している。根岸敦生

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