マフィア大ボス、30年逃亡劇の終幕 「62年生まれの患者を探せ」

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藤原学思
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 イタリア南部シチリア島で名をとどろかせ、「世界の最重要指名手配犯の一人」とも言われたシチリア・マフィアの「大ボス」が16日、イタリア当局に逮捕された。30年にわたる逃亡劇の幕切れを、欧州メディアが詳細に報じている。

 暖かい気候で知られ、欧州有数の観光地としても名高いシチリア島のパレルモ。英BBCによると、その男は街にある民間の医療機関を出て、カフェに向かっていた。そこで、捜査員に名前を尋ねられた。

 「私が誰か、わかっているだろう」。男は答える。

 「私は、マテオ・メッシーナ・デナーロだ」

 デナーロ容疑者は60歳で、シチリアを拠点とするマフィア組織「コーザ・ノストラ」のボス。ネットフリックスのドキュメンタリー「世界の最重要指名手配犯を追う」でも「最後のゴッドファーザー」として取り上げられた。

 1992年にマフィアの事件を担当していた当局者を殺害したほか、93年にはミラノやフィレンツェ、ローマで10人が亡くなった爆破テロ事件に携わったなどとして、2002年に終身刑の判決を受けた。裁判所が認定した事実には、敵対するマフィアのボスの妊娠中の恋人の殺害、捜査協力者へと転じた元マフィアの11歳の息子の殺害も含まれていた。

 だが、デナーロ容疑者本人の…

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