高校2年生以下がプログラミングの技術を競う「第22回日本情報オリンピック」の本選が、2月12日にオンラインで実施される。県内からは3人の高2生が激戦を勝ち抜き、本選出場を決めた。2025年から大学入学共通テストに新科目「情報Ⅰ」が加わることになり、プログラミングへの関心が高まるなか、過去最多の参加者が競ってきた今大会。本選を通過すると、「世界」への切符も見えてくる。

 例年、十数人程度の科学部員が予選に参加してきた県立岩国高校では、坂本空紀(そらき)君(17)が本選に進出した。昨年度は、情報教育に熱心な指定校の特典による「Bランク」で本選に進んだが、今年は基準点を上回る得点をあげて、「Aランク」で本選進出を勝ち取った。

 坂本君はパソコンでプログラミングをする科学部の部長。小学生のころからゲームが好きだったが、パソコンに触れるようになったのは高校から。文化祭では仲間とプログラミングしたゲームを披露した。「与えられた情報を処理しながら、自分の想像力がためされる。将来はゲームのプログラマーになりたい」と話す。

 プログラミングでは、たとえば「3カ所以上の地点を最短距離で進む経路を示せ」といった課題に対して、効率的な計算方法となるアルゴリズムを考え、そのプログラムを作成する。

 昨年12月にオンラインであった2次予選では、3時間で5問の課題に取り組んだ。「2問は満点で、ゼロ点という設問はなかった」という。「部全体の実力が上がっていた」と坂本君。週3回の部活動を通じ、本選に備えている。

 プログラミングへの関心が高まるなか、今回の情報オリンピックには過去最多の1720人が参加した。本選に出場する177人をみると、首都圏や関西圏の進学校の生徒が目立つ。

 そんななか、県内からは個人で参加した村上大知君(私立慶進高校)と山本倫太郎君(県立防府高校)も、Aランクで本選に進んだ。岩国高校科学部でプログラミングを指導する山下裕司教諭(64)は「県内から3人が本選に進み、全員Aランクだったのは異例ではないか」と評価する。

 本選で上位に入った約30人は、3月の「春季トレーニング」に参加。そこから4人の日本代表が選ばれ、8~9月にハンガリーで開かれる国際情報オリンピックに出場する。(川本裕司)

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