第2回週6日続くワンオペの夜と、感じた危険 それでも選ぶ「夜勤専従」

[PR]

A-stories「ケアワーカーがいなくなる?」

 月曜と金曜の夜は有料老人ホーム。火曜、木曜、土曜の夜は認知症グループホーム(GH)。そして、水曜夜は特別養護老人ホーム(特養)。

 愛知県内に住む女性(58)は、介護の現場3カ所をかけ持ちし、週6日働く。

 毎日、夕方か夜に出勤し、仕事から帰るのは朝。日によっては昼前になる。

 「夜勤専従」のケアワーカーだ。

 介護の人材派遣会社を通じて、あえて夜勤の仕事だけを選んでいる。

 夜勤続きで、さすがに体はきつい。仕事中、眠気で頭がぼーっとすることもあり、連日、身体介助をして疲れもたまっている。

朝8時半に帰宅、午後にはまた出勤

 要介護度が高い人が多く、最も忙しいのは週に1度、水曜に働く特養だ。

 午後10時からの勤務は翌朝7時に終わる。最寄り駅から20分ほど歩いて一人暮らしの自宅にたどり着くのは朝8時半すぎ。3~4時間寝て、家事や弁当作りなどをすませると、午後4時から勤務が始まるGHへと急ぐ。GHの勤務時間は翌朝9時までだが、人手が足らないと頼まれて10時ごろまで働くこともある。

 3カ所とも電車やバスを乗り継いで自宅から1時間以上かかる。睡眠不足から寝てしまい、乗り過ごしたことも何度もあるという。

 3年前に離婚した。すでに結…

この記事は有料記事です。残り2059文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    岡崎明子
    (朝日新聞アピタル編集長=医療、科学)
    2023年1月11日17時12分 投稿
    【視点】

    介護分野の人手不足と、保育分野の人手不足の構造は、とても似ています。いずれも有効求人倍率は高いのに、平均給与は低い。そのため平均勤続年数も全職種の平均と比べて著しく低いのが現状です。とくに介護分野は離職率が高く、業務に対する社会的評価が低い

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    清川卓史
    (朝日新聞編集委員=社会保障、貧困など)
    2023年1月11日17時20分 投稿
    【視点】

     人材会社から派遣されて「夜勤専従」で働くケアワーカーが増えているという現実は、介護人材をめぐる様々な実情を浮き彫りにしている。そう感じました。  正職員のみのローテーションでは「夜勤」がまわらないという深刻な人手不足だけではありません。

    …続きを読む