ドイツのクーデター未遂事件、誰が、なぜ、何を計画していたのか

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藤原学思
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 ドイツで12月初旬、極右勢力のメンバーらによるクーデター計画が明らかになり、世界に衝撃を与えた。捜査はなお継続中だが、事件に関連して、これまでに捜査当局が名指ししたグループ、あるいはムーブメント(運動・現象)が二つある。極右勢力の「ライヒスビュルガー(帝国市民)」と、英語圏発の陰謀論集団「Qアノン」だ。

 「彼らは暴力によって、死に至らしめるリスクをとってでも『ディープステート』(影の政府=DS)たる(ドイツ)連邦共和国を転覆させ、自分たちが権力を掌握しようとしていた。彼らの計画の一つには、連邦議会を襲撃するというものもあった」

 12月7日、ドイツのブッシュマン法相は、ツイッターにそう書き込んだ。投稿はさらに続く。

 「アルコールを飲んだ後で、ばかげた話をするうるさ型はもちろんいる。ただ、今回の場合は違う。集団が暴力的な行動を取るという相当に強い疑いがあった」

 連邦検察によると、逮捕されたのは25人で、12月15日時点でほかに29人が捜査対象になっている。ドイツ国内のほか、オーストリアとイタリアでも逮捕がなされた。

 7日の家宅捜索の対象になったのは、ドイツの全16州のうち11州の130カ所以上。ドイツ連邦検察のトップ、フランク検事総長によると、3千人ほどの捜査員が動員されたという。

逮捕された中には裁判官も

 具体的には誰が、なぜ、何を…

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