九州大病院で8歳に肝臓と小腸を移植 「患者や家族の大きな希望に」

小川詩織
[PR]

 九州大病院(福岡市東区)はこのほど、福岡市に住む8歳の女児に、肝臓と小腸の移植手術をしたと発表した。これら二つの臓器を1人の患者に移植したのは西日本では初めてとしている。

 病院によると、女児は小腸から栄養が補給できない「微絨毛(じゅうもう)封入体病」という病気で、乳児の時から点滴で栄養を取っていた。8歳での体重は11キロと、2歳児前後並みだったという。

 女児は肝硬変合併症も発症し、今年4月に父親から肝臓の一部を移植。7月に6歳未満のドナーが見つかり、小腸の移植を受けた。女児は拒絶反応もなく、食事から栄養を取れるようになった。10月下旬に退院した。

 小腸移植はドナーが少ないこともあり、手術例は少ない。実施例があるのは九州大病院を含め、全国でも6施設にとどまる。一方で、小腸移植を待つ患者は複数人いるという。

 11月10日に発表した九州大病院小児外科の田尻達郎教授は「同じような病気の患者や家族にとって大きな希望になる」と話している。小川詩織

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら