シェークスピアが「ロミオとジュリエット」で描いた男女のかなわぬ恋を、劇作家・野田秀樹さんが源氏と平家の対立に翻案したNODA・MAPの作品「Q:A Night At The Kabuki」が9月下旬、ロンドンで公演された。ウクライナ情勢など二項対立が深まる世界に問いかけたメッセージは伝わったのか。野田さんに聞いた。
2019年に初演した際の俳優らがほぼ再結集した。舞台は、捕らわれ人となった平の瑯壬生(ろうみお)が30年前に託した手紙を、尼寺で余生を過ごす源の愁里愛(じゅりえ)が受け取るシーンから始まる。
「戦争が終わった日に、戦争は終わらない」
第2幕、シベリア抑留を想起させる滑野(すべりや)で瑯壬生がつぶやくシーンがある。
「ちょっとわかりにくいかもしれないと思って、初演の際の稽古初日では『実はこの芝居はそこ(が重要)だ』と話したんです。今回は、芝居を見た後に、あのセリフが印象に残っていると語っている人がいたと聞いて、ああ時代が変わったなと」
「問題意識の底流にあるのは歴史との向き合い方」。後半では、カルトやフェイクニュースなど社会問題に向き合う創作への考えを語ります。
終わりの見えないウクライナ…
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