【アーカイブ】自画自賛する「新4大発明」 自由与えず求める「イノベーション」(連載「核心の中国」⑳)

有料記事

河南省蘭考県=平賀拓哉 保定=福田直之 北京=延与光貞 西村大輔
[PR]

 ガードマンに守られた高級マンション群の門から、農村で愛用される安価な電動3輪バイクトラックに乗った家族が外出していく。

 河南省蘭考県。かつての寒村は今、マンションの建設ラッシュに沸く。習近平(シーチンピン)指導部が力業で進める貧困対策を象徴する場所だ。

 同県には貧困対策に尽力して病死した書記がいた。この人物をたたえるため、習氏は2014年、2カ月の間に2度も訪れた。地元政府は大々的な貧困撲滅キャンペーンを展開し、企業誘致や農民への無利子融資のほか、貧困家庭にテレビや家具を無償で配った。

 習氏が貧困対策に力を入れるのは、共産党支配の正統性を目に見える形で示すことができるからだ。中国紙によると、13~17年に政府が貧困対策に投じた費用は4612億元(約7兆8900億円)に上った。

連載「核心の中国」(全20回)

中国共産党大会が10月16日に開幕します。これまで党内の権力集中を進め、「党中央の核心」へ上り詰めた習近平氏。今回の党大会では、「建国の父」とされる毛沢東に匹敵する権威を得るかどうか注目されています。今後の中国の行方を占う重要会議を前に、2016~17年に連載した「核心の中国」をアーカイブ配信します。年齢や肩書は掲載当時、敬称は省略します。

 「習氏が総書記になって一番…

この記事は有料記事です。残り2665文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら