ロシアによる黒海封鎖でウクライナからの小麦など食料の輸出が滞っている問題をめぐり、仲介役の国連とトルコが、穀物運搬船の航路の安全確保などについて、ロシア、ウクライナそれぞれと正式な合意に署名しました。ロシアの侵攻を受けてウクライナからの食料輸出が激減し、世界的な「食料危機」への懸念が高まっていましたが、同国からの輸出再開に向けた動きが今後加速する可能性が出てきました。ウクライナの食料輸出が減ることは、何を意味するのか。ロシアによる侵攻がいまも続くなか、当事国のロシアとウクライナを含む関係国の交渉はなぜ進展したのか。「食料危機」の背景をまとめました。
Q ロシアのウクライナ侵攻が、なぜ「食料危機」につながるの?
A ウクライナは小麦などがたくさんとれることから「欧州のパンかご」と呼ばれます。青色と黄色で構成される同国の国旗のうち、黄色の部分は小麦の黄色い畑を表しています。耕地面積は農業国フランスの1・8倍もあり、2020年の小麦の輸出量は世界5位で、世界全体の約9%を占めました。
2月24日にロシアがウクラ…
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