NATO、対テロから集団防衛に重点 戦略概念見直しの意味合いは

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聞き手・伊藤弘毅
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 ロシアのウクライナ侵攻を受け、北大西洋条約機構(NATO)は今回の首脳会議で、冷戦終結時以来の転換点を迎えた。戦略概念を見直し、近年重視されてきた対テロといった「危機管理」などに代わり、設立時の主目的だった加盟国の「集団防衛(抑止と防衛)」に再び重きを置く。

 また、ロシアをNATOにとっての「最大かつ直接の脅威」だと認定した。ロシアを戦略概念や共同宣言で「脅威」と認定したことは、東西冷戦の終結後、一度もなかった。

 今回の戦略転換により、NATOは中東欧における抑止と防衛を大幅に強化する。バルト三国やポーランドなど「前方」に展開可能な戦力を今後、30万人以上に増やす。抑止の考え方も、事前に反撃の意思を示すことで相手に攻撃を思いとどまらせる「懲罰的抑止」から、重火器などで物理的に相手を止める「拒否的抑止」に再転換する。ただし、冷戦期とは違って、部隊の展開先をあらかじめ割り当て、装備や弾薬も事前に備蓄することで、「前方」に大部隊を常駐はさせない「柔軟な前方防衛」ともいうべき態勢になる。

 今回初めて、戦略概念で中国…

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