車は男の子、お花は女の子? 園児に「らしさ」を決めつけない試み

有料記事

南日慶子
[PR]

 男の子は青、女の子はピンクなどと、幼い頃から当たり前のように分けてしまうことが、無意識のうちに「男らしさ」「女らしさ」を植え付けてきたのでは――。そんな問題意識で、子どもへの接し方を変えようという取り組みが、保育現場で始まっています。

 ただ、行事の中には、七夕の伝説のように男女をテーマにしたものも多く、悩むケースもあります。模索する現場の取り組みを取材しました。

七夕やひな祭りでは…

 名古屋市の保育園で保育士として働く天野諭さんは昨年、保育士でつくるグループ「にじいろ保育の会」を立ち上げた。

 メンバー約30人の多くは、LGBTQ性的少数者)の当事者だ。幼い頃に「つらい」「やりづらい」と感じた経験を、保育の現場で生かせると感じ、問題提起をしやすいように会を立ち上げた。

 天野さんには双子の姉がいる。男子と遊んだ記憶はあまりなく、姉にくっついて、女子の輪のなかでおままごとをして遊んだ。

 だが、「お仕事行ってきて」と輪の外に出され、離れたところでじっと待っていた記憶がある。子どもながらに生きづらさを抱え、「イルカのように自由に泳ぎたい」と思っていたが、幼稚園で将来の夢を聞かれると、大人の顔色をうかがいながら「大工」などと答えた。

 保育士になって感じるのは…

この記事は有料記事です。残り2722文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    若新雄純
    (プロデューサー・慶応大特任准教授)
    2022年6月20日10時54分 投稿
    【提案】

    らしさを排除するんじゃなく、自然発生するらしさは認めつつ、それを絶対視して固定しないことが大切なんだと思う。らしさをゆるく取り扱っていこう。

    …続きを読む
Think Gender

Think Gender

男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]