休日事情、格差浮き彫り 広がる週休3日と在宅すらかなわぬ職場

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村上晃一 栗林史子 橋本拓樹 伊沢健司 田中奏子
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 企業で週休3日を選べる制度が広がっている。日立製作所パナソニックホールディングスは2022年度中にも導入する方針だ。働き方の多様化の一環だが、会社の規模や業種によっては休みたくても休めない人も多く、「休日格差」が広がりそうだ。

 日立は本社などで働く約1万5千人が新たな制度の対象となる。勤務時間の1日あたりの割り振りを自分で決めることができ、一定時間働けば週休3日でも給料は減らない。例えば金曜日を休みにする代わりに、月~木曜日は所定労働時間(7時間45分)より長い9~10時間働くことで、全体の労働時間をこれまで通り維持するものだ。

 日立ではこれまで、裁量労働制を適用した人の1日の最低勤務時間を「30分以上」、フレックスタイム制では「3時間45分以上」と定めていた。今年の春闘でこの条件を廃止することが決まった。休みたい日の労働時間を「ゼロ」に設定できるようにすることで、週休3日が可能になる。

 選択型の週休3日制度は「ユニクロ」のファーストリテイリングや、みずほフィナンシャルグループも導入している。パナソニックも22年度内に試験的に導入する予定だ。副業やボランティアといった社外活動を促すという。

 多様な働き方が経済の活性化につながるとして政府も前向きだ。昨年6月に閣議決定した「骨太の方針」では、「企業における導入を促し普及を図る」とされた。

 ただ、週休3日を採用する企業はまだ少ない。厚生労働省が昨年1月時点の状況を調べたところ、社内で従業員の大多数に適用される制度が「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い」と答えた企業は8・5%だった。従業員数が1千人以上では12・6%あったが、30~99人では7・4%にとどまった。

 中小企業は人手が少なく、テレワークもあまり普及していないため、勤務時間を柔軟にすることは難しい。小売りや外食、医療や介護といった業種では、休みにくい人たちもめだつ。

 第一生命経済研究所の星野卓也主任エコノミストは「週休3日制やテレワークができない仕事もあり、一律に推し進めることは難しい。従業員がどんなことを望み、何を目的として制度をつくるのか考えないと看板倒れになる」と話す。(村上晃一、栗林史子、橋本拓樹)

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