試験当日に発熱したら? コロナ直撃の受験シーズン、注意点を聞く

中井なつみ 村井隼人 有近隆史
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 新型コロナウイルスの感染の急拡大が、受験シーズンを直撃している。感染力が強いオミクロン株の影響で、家庭内感染も広がる。寝不足になりがちな受験生は休養を取ってリラックスした環境で免疫力を高めることも必要だ。注意点をまとめた。

当日に発熱 「問い合わせ大学」へ連絡を

 「生徒全員が無事受験を終えることを祈っています」。白梅学園高校(東京都小平市)の3年生の学年主任、小山よしえ教諭はコロナ禍で迎えた大学入学共通テストの初日、こう話した。感染者は急増しているものの、生徒は自然体だといい、共通テスト直前には体調管理の徹底などを呼びかけたという。

 受験当日に発熱や風邪のような症状が出た場合、どうすればいいのだろうか。

 共通テストを実施する大学入試センターはホームページで「発熱、せき等の症状があるなど体調が万全でない場合は、無理して受験せず、受験票に記載されている『問い合わせ大学』へ連絡し、追試験(29、30日)の受験を申請してください」と呼びかける。

 万が一、試験会場で症状が出たり体調が優れなくなったりした場合は、休養室などへ移動し、医師や看護師の確認のもと、症状の確認を受ける。発熱や息苦しさなどの症状が一つでもあれば、試験は継続できず、追試験を申請することになる。「味を感じない」「においを感じない」「せきの症状が続いている」「咽頭(いんとう)痛が続いている」「下痢をしている(持病や食あたりなどをのぞく)」などの症状が二つ以上該当した場合も同様だ。それ以外の症状があって、試験の継続を希望する場合、別室で受験する。

「コロナ慣れ」に注意 従来の対策の徹底を

 国公立大学の2次試験や私立大の入試については、文部科学省がガイドラインを示している。試験当日に37・5度以上の熱がある場合は受験を取りやめ、追試験などを検討する▽せきなどの症状がある受験生は試験監督者に申し出ることとしている。また試験会場は換気のため窓を開放する時間帯があるため、暖かい服を持参することも求める。

 受験シーズン中、「感染する可能性を低くする工夫が大切」と指摘するのは、感染症に詳しい長崎大学の森内浩幸教授(小児科)だ。試験会場に向かう経路で、混雑しそうな公共交通機関をできるだけ避ける方法を検討したり、普段の生活で睡眠を十分取ることを心がけたりすることを提案する。食事も大皿ではなく取り分けて出す方がいい。「新たな対策を加えるのではなく、これまでの感染対策を徹底させることが大事。『しているつもり』ではなく、不織布マスクを正しく着ける、手洗いや消毒は丁寧に行う、家庭でも換気に注意するなどの基本を見直してほしい」とした上で、コロナへの「慣れ」に注意を促す。

 感染力の強いオミクロン株では、家族全員が一気に感染してしまうケースも少なくない。東北医科薬科大学の吉田真紀子准教授(感染症疫学)は「一番の感染対策は不織布マスクの徹底だ」。ただ家の中は3密になりやすく「家庭内の伝播(でんぱ)を防ぐことは非常に難しいので、まずは外で感染する機会を避けることが重要」と指摘する。重症化の恐れが高い高齢者がいる家庭では検温の頻度を増やすなどこれまで以上にこまめな体調の確認や体調管理が必要だという。

 「クリニックばんびぃに」(東京都)の時田章史院長は「体調に異変を感じたら、早期に検査をして感染を発見することが大事」として、検査を受けられる場所を事前に調べておくことを勧める。オミクロン株による感染は比較的症状が軽く、風邪に似た症状も多いため、感染に気付かずに日常生活を送ってしまえば、感染を広げてしまいかねない。発熱があったり、周囲の状況から感染の可能性が考えられたりする時にはかかりつけ医に相談することが望ましいが、かかりつけの医療機関が抗原検査やPCR検査などをしていない場合、地元医師会などのホームページで検査に対応する医療機関を検索することもできる。(中井なつみ、村井隼人、有近隆史

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