若者支持低迷「選挙なくても対話したい」 立憲、SNS戦略見直し 

立憲

神沢和敬
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 立憲民主党が、今夏の参院選に向けてSNS戦略の見直しに着手している。特に若者からの支持で自民党に水をあけられているとして、対話アプリの積極的な活用の検討を始めた。

 「選挙権がなくても真剣な対話をする。若者ともSNSでのやりとりを作っていきたい」。昨年末、東京・有楽町での街頭演説で、立憲の泉健太代表はこう訴えた。

 政策うんぬんの前に、そもそも若者に届いていない――。衆院選で敗北した立憲の幹部らは、そんな危機感を募らせている。朝日新聞の昨年12月の世論調査で、自民と立憲の支持率は36%と8%。60代では31%と11%だったが、18~29歳では34%と1%だった。

 若者の支持が低迷している要因の一つとみるのが、国内最大の対話アプリ「LINE」の活用の出遅れだ。立憲は2017年の結党以来、ツイッターでの発信に注力。17年衆院選でのフォロワー数は国内政党で首位で、自民と立憲の各SNSの登録者数を比べても、ツイッターは現在も自民23万7千対立憲19万3千で競り合っている。フェイスブック(FB)は11万4千対6万3千。ところがLINEでは64万9千対1万9千だった。

 SNSマーケティングなどを支援する「ガイアックス」(東京)の調べでは、主要SNSの国内での1カ月あたりの利用者数はLINEが8600万人で1位。2位ツイッターの4500万人や4位FBの2600万人を大きく上回る。20代の利用率もLINE97・7%、ツイッター79・8%、FB33・8%だ。

 SNS戦略に詳しいネット選挙コンサルタントの高橋茂氏は「若者にはSNSを活用しなければ届かない」と分析。立憲関係者も「失敗だった」と振り返る。立憲は、SNS戦略の見直しは参院選への重要な課題と認識。LINE活用の強化策の検討を進める。高橋氏は「『かっこよく』ではなく『身近に感じてもらう』ことが投票につながる」と指摘する。(神沢和敬)

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