北京五輪の外交ボイコット、バイデン氏「検討」 人権問題を懸念
バイデン米大統領は18日、米ホワイトハウスで記者団に対し、来年2月の北京冬季五輪をめぐり、自身や米政府当局者が参加しない「外交ボイコット」を行うことを検討していると明らかにした。「スポーツの政治化は五輪憲章の精神に反する」と牽制(けんせい)してきた中国側の強い反発は必至なうえ、日本を含めた米国の同盟国・友好国も対応を問われることになる。
バイデン氏は記者団から北京冬季五輪をめぐる外交ボイコットについて問われると、「そうしたことを我々は検討している」と語った。米メディアによれば、米政権内ではすでに外交ボイコットを行う方針が固められており、バイデン氏が今月末までにそれを承認する予定で、米ホワイトハウスが近く正式に発表するとみられるという。
リベラル志向の強いバイデン政権は、中国国内の新疆ウイグル自治区や香港などでの中国当局の人権問題を強く非難し、ボイコットを含めた北京冬季五輪の対応を早い段階から検討。ただし、米国選手団の五輪出場の機会を奪うべきではないとして、米政府当局者のみがボイコットする方向で調整されてきた。
サキ大統領報道官は18日の記者会見で、「我々は新疆ウイグル自治区に見られるような人権侵害について深刻な懸念をもっている」と語った。
一方、バイデン政権は同盟国・友好国の対応については、それぞれの判断に任せる意向だ。とはいえ、対中戦略において同盟国・友好国が米国の方針と足並みをそろえることを重視している。民主党のペロシ下院議長も5月、中国の人権問題を「ジェノサイド(集団殺害)」と呼び、各国の国家元首を北京冬季五輪に派遣しないように呼びかけた。日本も難しい判断が迫られそうだ。(ワシントン=園田耕司)
岸田首相「日本は日本の立場で考えていく」
バイデン氏が「外交ボイコット」を検討していると明らかにしたことをめぐり、岸田文雄首相は19日、「それぞれの国において、それぞれの立場があり、考えがある。日本は日本の立場で物事を考えていきたい」と述べた。首相官邸で記者団の取材に応じた。
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