(特派員メモ)隣国、反目と理解と @イスラマバード

特派員メモ

奈良部健
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 インドから隣国パキスタンに出張した。約20年前の学生時代には陸路で国境を越えたが、いまは関係悪化で封鎖されている。

 両国の首都間は750キロほどで、東京から岡山くらいまでの距離だ。しかし、飛行機の直行便もなく、中東ドバイを経由して約7倍の距離を遠回りした。

 目についたのは両国の似た所ばかりだった。衣服や食べ物、おしゃべりに熱を入れる様子、セルフィー好き。「どこでウルドゥー語を勉強した?」。何度もそう聞かれた。パキスタンの国語ウルドゥー語と北インドで話されるヒンディー語は、発音がほぼ同じだ。「パキスタン人の友達がいるから」。インドから来たことはあまり言わないようにしていた。だが杞憂(きゆう)だった。

 経由地ドバイは、インドやパキスタンなど南アジア出身者が8割近くを占める。ドバイで約15年働くパキスタン人イリヤスさんはインド人の同僚が多く、「インド人ほど組みやすい相手はいない」と、隣り合わせた機内で語った。多くを共有して反目もするが、理解し合える素地は大きい。ニューデリー支局のインド人の同僚は、私が戻ると言った。「どうでした? インドと変わらないでしょう」奈良部健

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