三浦佳生物語(下)
今年1月末に名古屋で行われた冬季国体での言葉が耳に残っている。
「すごく悔しい。自分のやる気を高めてくれる存在。氷を降りれば友達、乗ればライバル。いつまでも負けてはいられない。『待っておけよ』という感じです」
その国体。少年男子で1位は鍵山優真(オリエンタルバイオ)、2位は佐藤駿(フジ・コーポレーション)。当時中学3年だった三浦佳生(16)=目黒日大高=は4位だった。三浦が「自分のやる気を高める存在」と言ったのは、鍵山と佐藤のことだ。
三浦はいま、2学年上の2人の背中を見据えて、日々の練習に取り組んでいる。
今年3月の世界選手権で鍵山は銀メダルを獲得した。そのシーンは日本でテレビを通して見ていた。
「やばいしか言葉が出てこなかった。あんな大舞台で、優勝したネーサン(・チェン)の次で。平常心であんな演技ができるなんて、優真らしいなと思った」
鍵山は今季グランプリ(GP)シリーズのイタリア大会でも優勝。今や日本男子を引っ張る選手の1人だ。
2019年ジュニアGPファイナルで日本男子4人目の覇者となった佐藤は今季GPシリーズのスケートアメリカに出場。左肩を脱臼しながら4位と健闘した。
「あれはものすごく痛いやつなんですよ。大丈夫かなと思いながら見ていたけど、駿は魂のこもった演技を見せてくれて、さすがだなと思いました」
鍵山、佐藤、三浦の3人で「関東三羽がらす」と呼ばれてきたジュニア時代。先にシニアに上がった鍵山と佐藤は今季、北京五輪代表をかけてしびれる戦いを繰り広げる。それを見ながら、三浦は冷静に自らと向き合う。
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