コロナ禍の衆院選、各党公約に給付策 争点はアベノミクスの修正法

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 19日に公示された衆院選の公約で、各党はコロナ禍を背景に給付金など「分配」を重視する政策を盛り込んだ。安全保障では、中国の台頭による安全保障環境の変化を踏まえ、防衛力の強化を打ち出す党も目立つ。

コロナ対策 各党とも給付金

 自民党は2017年、14年の衆院選とも、公約の1ページを割き、「アベノミクス」の実績を強調した。ただ、今回は岸田政権発足直後でもあり、実績よりもこれまでの対応の「見直し」と取れるような言葉が目立つ。

 「国民の皆様にご協力を求める時には、『対策の必要性』『決定のプロセス』について、科学的知見に基づいた『納得感のある説明』に努めます」

 新型コロナ対策の冒頭、「説明不足」が指摘された菅政権を意識したような言葉が並ぶ。ワクチン確保が難航したことを踏まえた「国産の治療薬やワクチンの研究開発・生産体制の強化」、行政が混乱した教訓を踏まえた「司令塔機能の強化」も掲げた。人流抑制や医療提供体制確保策についても「行政がより強い権限を持てるための法改正を行う」と盛り込んだ。

 政府の司令塔機能強化は複数の党が公約に盛り込んだ。立憲民主党は「首相直轄の司令塔へ直ちに再編」、公明党は「より強力な司令塔」、国民民主党は「『日本版CDC(米疾病対策センター)』創設」と記した。

 その上で自民、公明が打ち出したのが経済との両立だ。自民は電子的ワクチン接種証明などで「経済を動かす」。公明も「新Go To キャンペーン」で観光産業を「経済復興の原動力として再開」と訴えた。

 一方、各党が「目玉」として競うのが給付金だ。自民は非正規雇用者や女性、子育て世帯、学生らに対する経済的支援を盛り込み、公明は0歳~高校3年まで1人一律10万円相当を打ち出した。

 立憲は低所得者へ年12万円の給付、共産党は年収1千万円未満程度の中間層を含め1人10万円、国民は一律10万円(低所得者は20万円、高所得者は課税)、社民党は10万円、れいわ新選組は月20万円などと主張する。各党で「大盤振る舞い」ともとれる状況だ。

記事の後半では、各党の経済政策や外交・安全保障をめぐる公約を紹介します。

 立憲、共産、日本維新の会、国民、れいわ、社民はそろって消費減税を打ち出したほか、立憲は年収1千万円程度まで実質免除となる時限的な所得税減税、維新は社会保険料の一部免除、国民は社会保険料の猶予・減免も盛り込んでいる。NHK党立花孝志党首は19日の演説で「コロナで傷ついた経済をまわしていかねばならない」とし、期限付きの電子マネーを配るような法案が出れば「賛成したい」と述べた。山下剛

経済政策 減税や分配に議論集中

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