学校が嫌だった僕が科学者を志すまで 書くのが苦手でも楽しい勉強法

有料記事凸凹の輝く教育

編集委員・宮坂麻子
[PR]

 市販のヨーグルト「ビヒダス」の銀色のふたには、なぜかヨーグルトがくっつかない。では、水では? 油は? 酢は? ケチャップやマヨネーズは?――。

 関西地方の公立小学校3年、しんたろうさん(8)は、この夏、初めて「自由研究」に取り組んだ。iPadの「GoodNotes5」というアプリでノートをまとめる方法を教えてもらったこともあり、1日で終えた。

 自閉スペクトラム症と診断されたのは、2歳の時だった。1歳8カ月で言葉や数を覚え始め、3歳ではローマ字も読み始めた。集団行動やコミュニケーションは苦手だったが、母親(48)は「勉強はできそうだ」と思っていた。

 だが、小1の秋に、我慢していたことが積もりつもって、「学校に行きたくない」と爆発した。ちょうど運動会が終わったころだった。集団行動だけでなく、聴覚や触覚などにも感覚過敏があり、運動会や給食の時間にスピーカーから流れる音楽に耐えられなかった。

 授業では、文章はスラスラ読め、中学生の漢字も読めていた。ところが、文字を書くとなると、ゆっくりと時間をかけて集中しないと、ひらがなも整わない。夜中に汗をかいて何度もうなされ、学校で嫌だったことを叫び出した。

 「このままでは壊れてしまうと思いました。宿題もやめ、学校とも話しあいを重ねて理解いただきました」と母親は言う。

苦手な会話もチャットなら

 そんななか、しんたろうさん…

この記事は有料記事です。残り1804文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら