「原発を動かせるわけがない」 相次ぐ東電の不祥事、国の政策にも影

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藤波優 川村剛志 高橋俊成 新田哲史
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 東京電力柏崎刈羽原発新潟県)で発覚したテロ対策や安全対策工事の不備について、東電が調査結果と再発防止策を発表した。安全を最優先にするという福島第一原発事故の教訓は、なぜ生かせなかったのか。再稼働をめざす東電への不信感が強まっている。

 東電の小林喜光会長は22日夕、都内で開いた記者会見で一連の問題を陳謝し、「(改善を)やり遂げることができなければ、原子力事業に携わる資格がないと烙印(らくいん)を押される。最後の機会と覚悟を持って取り組む」と述べた。

社長「正しい教育できていなかった」

 なぜ外部からの侵入を検知する重要設備の故障を放置したのか――。報告書から浮かび上がるのは、現場の核物質防護に対する認識の甘さだ。

 柏崎刈羽では侵入検知器が故…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2021年9月23日10時18分 投稿
    【視点】

    「役所以上にお役所体質」とも評された東電。会長が「驚きを持って受け止めた」と述べているところに、組織の現状と、改善の道が遠いことが示されている。 原発はもともと、国の保護と規制がないとやっていけない。「16兆円」とか「一千億円」といっ

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