エステの超音波照射器「HIFU」 使用実態を調査へ

杉浦幹治
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 けがやトラブルが相次いでいるのに使用実態がわかっていないとして、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は30日、エステサロンなどでしわや、たるみの引き締めに使われている「HIFU(ハイフ)」と呼ばれる高密度の超音波を照射する機器について、調査を始めると発表した。

 消費者事故調によると、照射器はHIFUを体の特定部位に当てて加熱し、切らずに狙った部位を収縮させられる。元々は前立腺がんの治療用に開発されたが、美容にも応用されるようになった。だが、2015年以降、全国の消費生活センターに「マヒが残った」「腫れが引かない」「やけどになった」などのトラブルの報告が相次いだ。

 未承認の医療機器を販売したとして、15年には販売した会社の経営者らが旧薬事法(現医薬品医療機器法)違反容疑で逮捕され、刑事事件になった例もある。17年には国民生活センターが医療機関ではないエステで施術を受けないよう注意喚起し、19年にはエステの業界団体も使用禁止の通達を出した。

 それでもトラブルは減らず、最近では利用者が自分で機器を扱うセルフエステでの事故例も報告され、ネット通販で10万円足らずで購入できるという。消費者事故調の中川丈久委員長は「医療行為を管轄する厚生労働省と、エステ店を所管する経済産業省の隙間で、実態がわかっていなかった。調査によって明らかにしたい」と述べた。杉浦幹治

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