コロナ禍も好調のスーパーの国産ウナギ、輸入品はどこへ

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杉浦幹治
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 コロナ禍でも「身近なぜいたく品」として人気が衰えない「ウナギ」。専門の料理店で食べれば3、4千円は当たり前だが、実は国産ウナギの大半はスーパーなどで売られる加工品に回り、料理店では輸入ウナギが使われることが多いという。なぜか。28日は土用の丑(うし)の日。背景を探った。

 日本有数の生産地、愛知県の旧一色町(現西尾市)。一色うなぎ漁業協同組合によると、「出荷するウナギの7~8割がスーパーなどに並ぶ加工品向け。全国の産地も傾向は似ていて、もう少し多いぐらいのはずだ」という。

 ここ数年の卸値の相場は、国産で大体1キロ3500円、中国・台湾産がほとんどを占める輸入品は2500円と3割ほど安い。同組合の販売担当者は「スーパーには産地表示の義務があるけど、料理店にはないからだろうね」と話す。

 とはいえ、スーパーでは手頃な価格のウナギに人気が集まるのではないか。スーパー大手のイオンリテール広報部に尋ねると、「ウナギは違う」。イオンでも取り扱う割合は8対2で国産が多い。「ウナギの販売額は7月だけで年間の半分。『丑の日ぐらいは奮発していい物を』というお客さんが多い。特に外食の機会が減ったコロナ下で、国産ウナギの人気が高まっている」と解説した。

 国際自然保護連合(IUCN)が絶滅の危機にあるとしてニホンウナギをレッドリストに載せた2014年、日本、中国、韓国、台湾の4カ国・地域で資源管理の国際的な枠組みができた。水産庁などによると、ウナギの稚魚、シラスウナギを養殖池に入れる量に上限を設けるようになった影響で、国内で出回るウナギは近年約5万トンで推移している。

 昨年でみると、国内で養殖された国産が約1万7千トン、輸入が約3万4千トンだった。国産の8割が加工用に回れば、残りは3千トン余り。料理店で使われるウナギは大体1万トンとされ3割強にしかならない計算だ。

 生産者側はどう考えているのだろうか。

 同じく西尾市でウナギの養殖…

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