23年ぶりの新首相は女性 太平洋の島国で新政権発足

シドニー=小暮哲夫
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 太平洋の島国サモアで23年ぶりに首相が交代し、政党「FAST」の女性党首フィアメ・ナオミ・マタアファ氏(64)を新首相とする政権が27日、正式に発足した。FASTは4月9日の総選挙で与党だった人権擁護党(HRPP)を破ったが、HRPP側が敗北を認めず、混迷が続いていた。地元紙サモア・オブザーバーが伝えた。

 フィアメ氏は、サモアが1962年に独立したときのフィアメ初代首相の娘で、85年から国会議員を務める。HRPP政権で教育相、女性相などを歴任。2016年から副首相を務めていたが、20年9月に新しくできたFASTに加わっていた。

 総選挙では、FASTとHRPPがそれぞれ25議席、無所属議員が1議席を得たが、選挙後に無所属議員がFASTに加わった。だが、98年11月から政権を率いてきたHRPP党首のトゥイラエパ前首相(76)は退陣を拒否。7月23日、同国で最終審の控訴裁判所がFAST政権の正当性を認める判断をした。前首相は26日、敗北を認めた。

 トゥイラエパ氏は気候問題の対応を国際社会に求めるなど、太平洋の島国の中でも最も経験のある首脳として知られた。だが、19年にはしかが大流行した際の対応や、伝統的な土地所有の仕組みを変える20年の法改正などについて、政権への批判が高まっていた。(シドニー=小暮哲夫

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