2年ぶりの夏、開幕 高校野球東・西東京大会開会式

野田枝里子 木村浩之 御船紗子
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 2年ぶりの夏、開幕――。第103回全国高校野球選手権東・西東京大会の開会式が3日、神宮球場新宿区)であった。大会には東西合わせて271校257チームが出場。試合は4日から始まる予定だ。

 降り続いていた雨がやみ、欠席した東西の計7校を除く250チームの球児たちが行進した。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各校の主将とプラカード係の生徒2人が参加。一般客を入れず、例年とは違った雰囲気の中で開会式が行われた。

 東京都高校野球連盟の堀内正会長は「信じた仲間たちと全力で戦い、悔いのない試合をして下さい」とあいさつ。朝日新聞東京本社の多賀谷克彦ゼネラルマネジャーは「悔しい思いを抱きながらグラウンドを去った先輩方の思いを胸に甲子園をめざして」と語った。

 国歌と大会歌「栄冠は君に輝く」は、国立音大付音楽科の長谷川桜愛(らまな)さん(3年)と小林未来(みらい)さん(2年)がそれぞれ独唱。爽やかな歌声で球児たちの背中を押した。

 長谷川さんは1年生の時に独唱のオーディションで落選。昨年は中止で、「2年越しの思い」を胸にこの日を迎えた。昨夏の甲子園が消えた球児と思いは一緒。「つらい思いをした皆さんにエールの気持ちをこめて歌いました」

 小林さんは歌詞の「純白の球」に合わせて白色のワンピース姿。「ほほえむ希望」から、「球児が素敵な笑顔になってほしい」と思った。不安だったが自分を信じて歌いきった。「皆さんも自分を信じて頑張って」と話していた。

 司会を務めたのは、帝京のバレーボール部3年の井上留菜(るな)さんと礒島璃音(りおん)さん。高校野球のアナウンスに憧れて志願した。井上さんは「緊張したけれど、開会にふさわしい明るい司会ができた」。礒島さんは「神宮で司会ができたことは一生の思い出に残る」と笑顔を見せた。(野田枝里子、木村浩之)

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 「仲間と野球に取り組むことがいかに幸せか、痛切に感じた1年を過ごしました」。関東第一の楠原悠太主将(3年)は真っすぐ前を見つめ、選手宣誓した。

 2年前、東東京大会を制して全国8強に輝いた。一転、昨夏は新型コロナウイルスで選手権大会が中止になったが、先輩たちは前を向き、独自大会決勝まで進んで帝京と延長十一回の熱戦を繰り広げた。引退の際、「俺たちの分も(甲子園へ)」と託された。

 甲子園をめざせるのは、高校野球に関わる多くの人の協力あってこそだと実感した。「去年、思うように野球のできなかった先輩たちのため、高校野球を愛してくださる全ての方々へ感動を与えられるよう、全力で戦い抜くことを誓います」御船紗子

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