遊び×学び「新潟ぱるた」、大学院生が開発 新潟・長岡

岩波精
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 新潟県内30市町村の形に切り取られた木製ピースをパズルのように並べたり、カルタの取り札にしたり。遊びを通じて地域のことを学んでもらおうと、長岡造形大の大学院生が「新潟ぱるた」という子ども向け教材を作った。石川県版や横浜市版も完成し、取り組みが広がりつつある。

 「ぱるた」は、パズルとカルタ、タワーのように積み上げるという、3種類の遊び方から1文字ずつ取った造語だ。

 考案した大学院生の堀川強さん(23)は燕市出身。「同級生の多くは『新潟には何もない』と言って県外に出て行ってしまった。それは新潟のことをよく知らないから」と話す。堀川さん自身も、県外から来た学生に「新潟って何があるの?」と聞かれてうまく答えられなかった。そこで、楽しく知識を身につけるため、遊びと学びを掛け合わせてみようと考えた。

 木製ピースにはひらがなで市町村名が書かれていて、30個をパズルのように組み合わせると、県全体の形が完成する。また、各市町村の特産や文化、観光名所が盛り込まれた読み札もあり、ピースを取り札としたカルタ遊びができる。

 2019年からは長岡市などで子ども向け体験会を開いている。そのなかで子どもたちが編み出したのが「タワー遊び」。市町村の名前を言いながらピースを一つずつ積み上げていき、崩した人が負けというルールで、市町村ごとの面積を実感できるという。

 昨年には、インターネットなどでぱるたを知った人から、横浜市や同市磯子区版、石川県版を作ってほしいと依頼を受けた。

 昨年10月に石川県七尾市で開かれた体験会には、約100人が参加した。各市町村の特徴を盛り込んだ読み札をどんな内容にするか、子どもも大人も一緒になって意見を出し合った。堀川さんは「読み札を考え、自分が住むまちの魅力探しをすることで、世代を超えた交流や地域への愛着を育てるきっかけになれば」という。

 県外での展開に加え、「平成の大合併」以前の旧市町村単位のぱるた作りも計画している。

 まずは「やまこし」「よいた」など、長岡市の旧市町村11地域をかたどったキーホルダーを製作し、「ガチャガチャ(カプセルトイ)」に入れた。コインを入れてレバーを回すと、キーホルダー入りのカプセルが出てくる仕組みで、今月からイベントで出店している。

 堀川さんは19年5月に長岡市内で合同会社omoshe(https://omoshe.co.jp/別ウインドウで開きます)を起業。新潟ぱるたをネット販売しているほか、地域学習のイベント企画なども手がける予定だという。(岩波精)

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