甘さがミソの「子ども餃子」 ニンニクなし、小松菜入り

編集委員・小泉信一
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 ラーメンやカレーとともに「国民食」になったギョーザ。群馬県伊勢崎市が、地元産の小松菜などを使ったギョーザを企業と共同で開発し、8日に販売を始めた。その名も「いせさき子ども餃子『Nana(なな)』」。「子ども」とあるが、大人が食べても納得の味。もんじゃ焼きにコロッケと話題を呼んできた伊勢崎市。第三のヒット商品になるか。

 「子どもたちに安心安全なものを食べてもらいたいと思っている。いずれは伊勢崎の街をギョーザで売り出したい」。6日に開かれた記者会見で、臂(ひじ)泰雄市長は意気込みを語った。

 市農政課によると、官民による「伊勢崎市『農&食』戦略会議」が旗振り役となり、市内のギョーザ製造販売会社「二幸」や、食肉加工・卸売業「栗食」と共同で開発を進めてきた。

 凍ったままのギョーザをパックから取り出し、フライパンに並べる。油や水は不要だ。「一般的なギョーザとはひと味違ったものにしよう」との思いから、あんの中に甘いみそが入っている。タレなしで食べるのが基本。「Nana」は小松菜の「菜」から取った。

 ニンニクやニラ、唐辛子など強い刺激があるものは使わない。代わりに、カルシウムや鉄分を多く含む市内産の小松菜やネギが、たっぷりあんに入っている。ひき肉は、豚肩肉の「ウデ肉」と呼ばれる部位のみを使う。筋肉が発達しており、肉の繊維が太い。ひき肉にしても肉の食感が残り、ジューシーに焼き上がるという。

 戦略会議によると、小松菜は年間を通し、安定的に出荷できる。持続可能な農業の実現をめざすこともあり、市内の畜産農家と有機肥料を作るなどして開発を進めてきた。大人向けギョーザも夏には販売する予定。ビールなどに合うようにするため、辛さを引き立てた味になるという。

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 12個入り238円(税込み)。伊勢崎市内のスーパー「フレッセイ」7店舗の冷凍食品売り場で販売されている。(編集委員・小泉信一

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