マイナンバーカードの保険証本格運用、トラブルで先送り

久永隆一
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 マイナンバーカードを健康保険証として病院や薬局で利用できるようにする仕組みについて、厚生労働省は3月末に予定していた全国での本格運用を断念する方針を決めた。試行段階でトラブルが相次いだためで、本格運用は10月以降に先送りすることも視野に政府内で調整する。

 マイナンバーカードを保険証として使う仕組みは、今月から一部の医療機関で先行して進めていた。ところが、マイナンバーカードを読み取り機にかざし、患者が加入する公的医療保険の資格を確認しようとした際、実際の資格と異なっていたり、「資格情報が登録されていない」とされたりするトラブルがあったという。

 関係者によると、健康保険組合などが加入者の情報を誤って入力したことがトラブルにつながった可能性があるという。厚労省は今後、データを精査して本格運用の時期を探る方針。

 政府はデジタル社会の実現に向けて19年6月に示した方針で、マイナンバーカードの保険証利用について、23年3月末までにほぼ全ての医療機関などでの導入を目標に掲げている。遅れているマイナンバーカード普及を後押しする策として期待されていた。(久永隆一)

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