10月末の地震で被害を受けたギリシャ東部のサモス島には、中東などからやって来た難民が身を寄せるキャンプがある。
9カ月ほど前に取材で訪ねた時は、シリアから来た家族がドラム缶でパンを焼き、お茶を沸かす湯気が、あちこちで上がっていた。「お茶を飲んで行って」と、アラビア語が話せない私をテントに招いてくれた。厳しい環境でも、人々の暮らしが息づいていた。
今回、地震の取材で島を訪れ、再びキャンプを訪ねると、誰かの失火が原因とみられる火事で一区画が真っ黒に焼け落ちていた。かろうじて難を逃れたという、イラク出身のアルヤセンさん(27)は「爆撃があって、逃げて、今度は新型コロナ、地震、火事。何という災難続きだ」。それでも、スイスにいるきょうだいと再会する希望は捨てないでいる。
イラクでは、SNSで政治勢…
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