5年目のBリーグは2日、開幕する。新型コロナウイルスの影響で外国人監督、選手の合流が遅れる中、チームに勢いを与えてくれそうなのが新人たちだ。オーストラリアで陸上の州チャンピオンにも輝いた経歴を持つ駒水大雅ジャック(大阪)、母が日本人で米国育ちのアイザイア・マーフィー(広島)、昨年12月に大学の部をやめて本格的にシーズンに臨む小酒部泰暉(アルバルク東京)。有望株の3人に話を聞いた。

陸上で鍛えた跳躍力

 4人のルーキーが加わったB1大阪で、スモールフォワードの駒水(こまみず)大雅(たいが)ジャック(21)はひときわ高い身体能力を見せる。

 オーストラリア人の父と日本人の母のもと、奈良県で生まれ、4歳から豪州へ渡った。身長200センチ、95キロ。持ち味は、高い跳躍と長い滞空時間のダンクシュートだ。

拡大する写真・図版ダンクシュートをする大阪の駒水大雅ジャック=大阪エヴェッサ提供

 迫力満点のプレーを生みだす脚力は、実は12年間打ち込んだという陸上で磨かれた。17歳の時には走り幅跳びで7メートル23を記録し、豪ニューサウスウェールズ州チャンピオンになった実績を持つ。陸上以外にもバレーボールなど様々な競技にも親しんできたという。

 一方、バスケットボールを始めたのは16歳からと遅い。友人に誘われて参加したバスケットの合宿で出会ったコーチに勧められ、競技を始めた。「もともと見るのも好きだったし、プレーしていても楽しい」とのめり込んだ。

 豪州の大学から地元のセミプロチームに進み、昨季はリーグの得点王、スリーポイント王、フリースロー王に輝いた。活躍の一方、「あまり文化になじめない」とも感じていたという。そんなときにオファーが届いたのが、Bリーグだった。「Bリーグはいつもチェックしていたし、自分でも調べていい環境だと思った。今のところ、すごく合っていると思う」

拡大する写真・図版大阪の駒水大雅ジャック=大阪市此花区

 ダンクシュートには「モチベーションが高まる特別なシュート。機会があれば全力で披露したい」と、こだわりものぞく。一方、「一つのことしかできない選手と思われるのは絶対に嫌。オールラウンドな選手を目指している」と、ゴール下でのプレーはもちろん、外角シュートの精度も磨く。

 大阪の阿部達也GMは「抜群の身体能力は武器になる。伸びしろも大きく、今後の成長によっては日本を代表できる選手にもなれる可能性がある」と期待を寄せる。一方で、「競技歴が浅いため、現時点では、大阪のバスケットの動きを教え込んでいる状態」と課題も尽きない。駒水も「成長できるところまで成長したい」と、意欲的だ。理想の選手は米NBAのラッセル・ウエストブルック(ロケッツ)。「一つうまくいかないことがあっても他で補い、110%の力でチームに貢献出来る。彼のようにすべてのことをハイレベルでこなせるような選手になって、存在感を示したい」(高岡佐也子、藤田絢子、清水寿之)

日本に数少ない大型ガード

 初めてB1に昇格した広島の新人ガードは二つの名前を持つ。米国の大学から加入した22歳、アイザイア・マーフィーは、米国人の父と日本人の母の間に生まれ、日本名を榎本新作という。

拡大する写真・図版広島ドラゴンフライズのアイザイア・マーフィー=上田潤撮影

 沖縄県出身。軍人だった父の転…

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