編集委員・石井徹
「朝日地球会議2020」(10月11日~15日)は、新型コロナウイルスの影響でオンラインで開催します。「新しい未来のための5日間」をメインテーマに、民主主義や文化・文明、気候変動など、コロナ禍で浮かび上がった問題について、みなさまと一緒に考えます。登壇者とプログラムをご紹介します。
12:30~12:40 主催者あいさつ
渡辺雅隆(朝日新聞社社長)
12:40~13:10 「未来の東京」を見据えたサステナブル・リカバリーの推進
小池百合子(東京都知事)
13:30~14:30
これからの生きかたと死にかた コロナ禍で私たちはひっそりと動物になっていく
〈ゲスト〉落合陽一(ピクシーダストテクノロジーズCEO)▽聞き手・竹下隆一郎(ハフポスト日本版編集長)
15:00~16:00 “不要不急のチカラ”~コロナ禍で考える五輪、音楽の価値
〈パネリスト〉辻仁成(作家)、渡辺守成(国際オリンピック委員会委員)▽コーディネーター・稲垣康介(本社編集委員)
16:30~17:30 オンライン教育のあした
〈パネリスト〉夏野剛(ドワンゴ代表取締役)、平川理恵(広島県教育長)▽コーディネーター・宮坂麻子(本社専門記者)
17:30~18:15
SDGsしないのん?
〈ゲスト〉のん(女優・創作あーちすと)、根本かおる(国連広報センター所長)▽聞き手・奥山晶二郎(本社withnews編集長)
11:00~11:15 来賓あいさつ
茂木敏充(外務大臣)
11:15~11:30 来賓あいさつ
イナ・レーペル(駐日ドイツ大使)
11:30~12:30 資本主義と民主主義を根こそぎに?=米国と中継
〈ゲスト〉グレン・ワイル(米政治経済学者)▽聞き手・坂井豊貴(慶応大教授)
13:00~14:00 コロナと気候危機(1)世界と日本はどこに向かうのか
〈講演〉ポール・マデン(駐日英国大使)〈パネリスト〉小野りりあん(モデル)、高村ゆかり(東京大教授)、玉木林太郎(国際金融情報センター理事長)▽コーディネーター・石井徹(本社編集委員)
14:30~15:30 コロナと気候危機(2)復興へ向け企業はどう取り組むのか
〈パネリスト〉岸野寛(東京ガス専務執行役員)、樋口哲司(MS&ADホールディングス取締役専務執行役員)ほか▽コーディネーター・高村ゆかり
16:00~17:00 コロナ危機と文化=ドイツと中継
〈パネリスト〉多和田葉子(作家)、中村桂子(JT生命誌研究館名誉館長)▽コーディネーター・吉村千彰(本社大阪生活文化部長)
17:30~18:00 エネルギー×ICTによる持続可能な社会の実現
〈講師〉岡敦子(NTT技術企画部門長)
18:00~18:45 いま、電気を選ぶ~手軽に脱炭素を始めよう
〈パネリスト〉大石英司(みんな電力創業者・代表取締役)、鈴木悌介(鈴廣かまぼこグループ副社長)、マライ・メントライン(ライター・ドイツテレビ協会ZDFプロデューサー)▽コーディネーター・藤えりか(本社経済部記者)
11:00~12:00
教えて! トランプ支持者の皆さん
〈パネリスト〉富永京子(立命館大准教授)、金成隆一(本社機動特派員)▽コーディネーター・玉川透(本社GLOBE編集長代理)
12:00~13:00 サーキュラーエコノミーを目指して=米国・インドネシアと中継(前日収録)
〈パネリスト〉トム・ザッキー(テラサイクルCEO)、メラティ・ワイゼン(バイバイ・プラスチックバッグ創設者)、粟生木千佳(地球環境戦略研究機関主任研究員)▽コーディネーター・国谷裕子(キャスター)
13:00~13:45 あの石が、あのゴミが資源になるなんて!
〈パネリスト〉山﨑敦義(TBM CEO)、石坂典子(石坂産業代表取締役)、押切もえ(モデル)、伊藤大作▽コーディネーター・中島隆(本社編集委員)
13:45~14:00 SDGs対応の価値共創型の環境取り組み
〈講師〉箕輪睦夫(アデランス上席執行役員)
14:30~15:00 持続可能なペットボトルへの挑戦
〈講師〉北村暢康(サントリーホールディングスサステナビリティ推進部長)
15:30~16:30危機に負けない居場所づくり~子ども食堂の実践から
〈パネリスト〉松島陽子(うわじまグランマ代表理事)、湯浅誠(全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長)▽コーディネーター・中塚久美子(本社専門記者)
17:00~17:45 地球の課題解決への挑戦 あなたの行動が未来をつくる
〈パネリスト〉島村琢哉(AGC代表取締役/旭硝子財団理事長)、中村俊裕(コペルニク共同創設者)、水溜りボンド(動画クリエイター)▽コーディネーター・戸田政考(本社科学医療部記者)
19:00~19:45 クリーンに、スマートに~すぐそこまで来ている水素社会
〈パネリスト〉佐々木一成(九州大水素エネルギー国際研究センター長)、津吉学(岩谷産業取締役水素本部長)、寺崎温尚(パナソニックアプライアンス社スマートエネルギーシステム事業部長)▽コーディネーター・多賀谷克彦(本社大阪経済部長)
20:00~20:15 リサイクル、それが本当に賢いソリューションと言えるのか?
〈講師〉デイビッド・ナタン・カッツ(ソーダストリーム代表取締役)
10:30~11:15 気候変動と生物多様性
〈パネリスト〉甲斐沼美紀子(地球環境戦略研究機関研究顧問)、浦口あや(コンサベーション・インターナショナル・ジャパン テクニカル・ディレクター)▽コーディネーター・神田明美(本社科学医療部記者)
12:30~13:30 フードテックと持続可能社会=米国と中継
〈パネリスト〉外村仁(スクラムベンチャーズパートナー)、関屋英理子(ニチレイconomeal開発責任者)、山田瑶(不二製油ESG経営グループCSRチーム)▽コーディネーター・高橋万見子(本社「SDGs ACTION!」編集長)
14:00~14:45 未来を創る「分身技術」 コロナ禍の世界を変える?
〈パネリスト〉鈴木高志(凸版印刷情報コミュニケーション事業本部先端表現技術開発本部本部長)、暦本純一(東京大大学院教授)、眞鍋かをり(タレント)▽コーディネーター・須藤龍也(本社編集委員)
16:00~17:00 21世紀の全体主義とは=ドイツと中継
〈パネリスト〉マルクス・ガブリエル(独ボン大教授)、姜尚中(東京大名誉教授)=写真▽コーディネーター・高久潤(本社オピニオン編集部記者)
10:30~11:30 ポストコロナの日本経済~財政破綻は避けられるのか
〈パネリスト〉小林慶一郎(東京財団政策研究所研究主幹)、藤巻健史(フジマキ・ジャパン代表取締役)▽コーディネーター・原真人(本社編集委員)
13:00~14:00 ジェンダーギャップ克服へ 私たちができること
〈パネリスト〉青野慶久(サイボウズ代表取締役社長)、SHELLY(タレント)▽コーディネーター・岡林佐和(本社経済部記者)
16:45~17:00 特別共催者あいさつ
藤原帰一(東京大未来ビジョン研究センター長)
17:00~18:00 尊厳と連帯~英国と日本の経験から=英国と中継
〈パネリスト〉ブレイディみかこ(ライター・コラムニスト)、國分功一郎(東京大准教授)▽コーディネーター・藤生京子(本社文化くらし報道部記者)
新型コロナウイルスが世界を脅かしている。こうした感染症のパンデミックは、過去に何度もあった。そして、世界の歴史を変えてきたと言われる。
14世紀にヨーロッパを襲ったペストにより封建社会が崩れ、中世ヨーロッパの社会構造ががらりと変わった。そして、ルネサンスにつながった。16世紀に南北アメリカに持ち込まれた天然痘などは、アステカやインカの文明を滅ぼし、それまでと違う世界を生んだ。20世紀初頭、第1次世界大戦のさなかに世界的に流行したスペイン風邪は、戦況にも影響を及ぼした。
世界はある日突然変わったわけではない。感染症は、社会に生まれつつある変化を加速させ、大きな流れへと送り出す役目を果たしてきたように見える。
私たちの今の社会は数多くの課題を抱えている。
猛暑が日常化し、豪雨や水害が相次ぐ。地球温暖化の脅威は、だれもが感じるようになった。温暖化の影響とみられる森林火災が相次ぎ、生物多様性の喪失は加速している。
米中など国家間の対立も激しさを増している。自国中心主義があらわになり、ポピュリズムや排外主義、分断も進む。
経済的格差が広がり、貧困は途上国だけの問題ではなくなった。AIなどの科学技術の進歩は、雇用不安を膨らませる。
新たな感染症の拡大は、熱帯雨林の開発などによって野生生物と人間社会との距離が近くなったことが一因と言われる。
新型コロナにより、私たちの社会はどう変わっていくのだろうか。
コロナ禍で気づかされたこともある。経済が停滞した半面、温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量が減った。中国やインドなどでは大気汚染の改善も報告された。困難だと思われていた課題も、解決の可能性がないわけではない。
コロナ後の世界は元通りにするのではなく、持続可能なものにしなければいけない。「グリーン・リカバリー」という考え方だ。新型コロナからの回復を、気候危機の回避や生物多様性の保全、国際協調、新たな政治経済システムの構築につなげる。そのための変化の芽は生まれている。(編集委員・石井徹)
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「朝日地球会議2020」(10月11~15日)は新型コロナウイルスの影響ですべてオンラインで開催します。メインテーマは「新しい未来のための5日間」。米大統領選や気候変動、SDGsなどをめぐり、パネル討論など20を超えるセッションを配信します。プログラムの詳細と事前登録は公式サイト(http://t.asahi.com/awf20d1)から。
プログラムは東京・築地の朝日新聞本社内スタジオから配信します。海外の登壇者とは中継で結びます。視聴者からの質問、メッセージなど双方向性を生かしたプログラムや英語チャンネルを設ける討論などもあります。