コロナ禍にみる関西遺産とは モロゾフのプリンカップ?

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勝手に関西遺産総集編

 私が書いていた「関西遺産」は、もっぱら言葉、関西弁だった。「しゃあない」「なんでやねん」「かなんな・かなわんな」などなど。商売や生活の知恵が磨いた言葉の数々は、関西人がいかにコミュニケーションにたけているかの証明書のようなものだ。だが、この新型コロナウイルスの状況下にあって頭に浮かんだのは、「モロゾフのプリンカップ」である。

2004年から続く関西遺産は、総集編をお届けしています

 「まだまだ勝手に関西遺産」は、2004年11月にスタートした「勝手に関西世界遺産」が前身です。関西は本家のユネスコ認定の世界遺産に収まりきらない、愛すべき身近な「お宝」がいっぱいある――。そんな意気込みで始まりました。登録者は関西ゆかりの識者たち。そのうち6人に当時を振り返って頂きます。第2回はライターの島﨑今日子さんです。

パンデミックの日常で

 阪神大震災の1週間後。落語家桂あやめさんは実家が損壊し、お母さんが亡くなるという悲しみのときに、高座に上がった。枕が秀逸だった。地震で世の中の価値観は一変し、男の選び方も「三高」(高学歴・高収入・高身長)から「何本ペットボトルやガスボンベ入ったリュックを担いで神戸まで行けるか」に変わる。そして「高級な食器はぜーんぶ壊れ、残ったのがモロゾフのプリンカップだけです。丈夫が一番!」。大きな笑いが起こった。

 パンデミックという不条理を…

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