コロナ対策「私たち抜き」 参政権、れいわ議員の悔しさ

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編集委員・松下秀雄
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 昨年夏の参院選で、れいわ新選組の木村英子さん、舩後靖彦さんが当選した。重い障害のある2人は、当事者の声を政治に反映させようととりくむ。しかし、この社会に暮らす多様な課題の当事者にとって、政治参加は決して容易ではない。憲法がさだめる参政権は、みんなに保障されているのだろうか。

 「私たち抜きに、私たちのことを決めないで」

 障害のある人たちは、こんなせりふを運動の合言葉にしてきた。日々の生活でも、自分たちに関する政策についても、「健常者」が決めたことを受け入れるしかない状況にしばしば追い込まれるからだ。

 2人は得票にかかわらず優先的に当選できる比例区の「特定枠」で議席を得た。選挙区の合区に伴う自民党の党内事情を受けてできた制度だが、これを逆手にとって「私たち抜き」の政治を変える一歩を踏み出した。

 「多機能トイレ」や新幹線の車いすスペースがいかに使いづらいか。障害のある受験生に配慮を――。2人はそんな質問を国会でぶつけた。その後、赤羽一嘉国土交通相の指示で障害のある人も交えた検討会が立ち上がり、車いすスペース改善の基本方針がまとまった。

コロナ対策 意見述べる機会なく

 一方で、壁にもぶつかる。

 木村さんは19日、緊急の記者会見を開き、「怒りを感じている」と訴えた。新型コロナウイルス対策に関する政府・与野党連絡協議会がつくられたのに、小さな会派には声がかからず、参加を申し出ても認められなかったからだ。要望は文書で伝えてほしいとの返事だった。

 感染の広がりで、重い障害のある人のもとにヘルパーがこないといった問題が起きている。障害のある人が感染したら、重篤になりやすい……。窮状を伝え、命を守るために意見を述べたいのに、出席がかなわない。

 木村さんは「舩後さんは気管…

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