白杖の男性がホーム転落、電車にはねられ死亡 日暮里駅

関口佳世子 細沢礼輝
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 11日午前0時50分ごろ、東京都荒川区のJR日暮里駅で、東京都足立区の会社員森政和さん(53)がホームから転落し、JR京浜東北線大船発赤羽行きの最終電車(10両編成)にはねられて死亡した。森さんは視覚障害があり、白杖(はくじょう)を持っていたという。警視庁は誤って転落したとみて調べている。

 荒川署によると、森さんが白杖を使いながらホームを1人で歩き、足を踏み外して転落する姿が目撃されていた。現場は階段の脇で通路の幅が狭くなっていた。点字ブロックはあったが、ホームドアは設置されていなかったという。

 JR東日本は2032年度末までに首都圏の主要全330駅にホームドアを整備する方針で、京浜東北・根岸線は大宮―桜木町駅間37駅のうち23駅の整備を終えている。日暮里駅は山手線ホームには設置済みだったが、京浜東北線ホームは今夏の東京五輪・パラリンピック以降に整備される予定だったという。

 国土交通省のまとめでは、駅のホームからの転落事故は10年度以降、毎年約2800~3600件で推移し、このうち視覚障害者は58~94件あった。国交省は乗降客が1日3千人以上の駅にホームドアや点字ブロックを設置するよう呼びかけており、昨年3月末時点でホームドアは全国783駅に設置されている。(関口佳世子、細沢礼輝)

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