浸水した写真、泥かぶったアルバム あきらめないで

台風19号

山本奈朱香
[PR]

台風19号支援通信

 浸水被害で水にぬれたり泥をかぶってしまったりした写真やアルバムは、どうすればいいのか。

 東日本大震災の津波で流された写真の洗浄作業にあたってきた仙台市NPO法人「おもいでかえる」の理事、丹野ゆみさんは「すぐに水で洗えなくても、まず乾燥を。そうすれば、落ち着いた頃に洗って救える可能性がある」と話す。写真がくっついてしまっている場合は無理にはがさず、そのまま乾燥させておく。丹野さんは「今は家の中を片付けるのが一番だと思うけれど、写真の中央部分だけでも残っている可能性がある。あきらめないで」と呼びかける。

 富士フイルムはホームページ(https://fujifilm.jp/support/fukkoshien/faq/index.html別ウインドウで開きます)で「写真が海水や河川の水でぬれた場合の応急処置」や「写真プリントが水没して汚れてしまった場合の対処法」などを紹介している。

 生乾きのままではカビやバクテリアが繁殖するといい、乾燥させるだけでも劣化を抑えることができるという。アルバム全体がぬれている場合は、ページごとに洗濯ばさみをはさんで隣り合うページがくっつかないようにしたり、新聞紙などをページごとに挟みこんだりして乾かす。

 冷凍設備がある場合は、写真やアルバムをぬれたままの状態でチャック付きポリ袋などに入れて冷凍庫の中で保管する。洗浄準備が整ったら、解凍や乾燥をせず、すみやかに水道水につけて、写真を1枚ずつ分離させて洗うといいという。

 「おもいでかえる」では、被災地で集めて洗浄した写真の返却会を毎年開き、これまでに約16万枚を持ち主に返却してきた。東日本大震災で被災した人の中には、泥だらけになったアルバムを「どうしようもない」と捨ててしまった人や、「以前の写真を見るとフラッシュバックしてしまうから見たくない」という人もいたという。ただ、生活が落ち着いた頃に気持ちが変化し、思い出の詰まった写真を捜しに来る人が、8年を経た今でもいるという。(山本奈朱香)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

こどもと被災地

こどもと被災地

東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る]