埼玉)年金足りぬ「働く80歳」 老後2千万円問題

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松浦新
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 埼玉県上尾市の男性(80)は工事現場の警備員として、夏も冬も、雨の日も、平日は8時間立ちっぱなしで働く。勤続5年になる。小さな折りたたみ椅子を持ち歩き、時間があれば座る。昼は妻(77)が作った弁当を食べる。「晴れの日はいいが、雨の日は人の家の軒先で食べる。みじめなもんですよ」と、日焼けした顔で話す。

 65歳まで東京都内の会社で働き、厚生年金が月額約22万円。妻にも月額約5万円の基礎年金がある。

 老後の生活費が30年で2千万円不足する、との試算で話題になった金融庁の報告書は、年金が月約21万円あっても生活費は月5万円足りないと指摘した。男性の世帯の年金はこれを上回るが、暮らしていくには足りない。だから、警備員の勤めで月約20万円を稼ぐ。

 働き続けるのは、娘(48)…

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