佛教大・お坊さん監督のありがた~い教え

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竹田竜世
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スポーツ好奇心

 6月の全日本大学野球選手権で佛教大(京滋大学連盟)が準優勝しました。大会中、笑いをちりばめながら、ひょうひょうと試合を振り返る田原完行(さだゆき)監督(59)の語り口に妙にひかれました。聞けば、実家のお寺の住職も兼ねる僧侶とのこと。お坊さん監督の指導哲学とは? がぜん、興味がわきました。

 「私、坊主でしてね」。多くの記者に囲まれた準決勝の試合後、指導方針を尋ねる質問に軽妙に言葉を連ねていく。「野球はゴルフと同じで、プレーが止まってまた始まるスポーツ。精神的なものがすごく影響すると思ってます」。選手に説くのは、一回でも九回でも同じ精神状態でプレーすることの大切さ。「ゴルフで言えば、これを決めたら賞金何千万円というパットも、普段のパットも同じように決められるように、ということです」

 「話がうまくて聞きやすい」と野村楽人(がくと)(3年、上宮太子)は言う。例えば? 「鏡の話とかですね。鏡から『が(我)』をとってみなさい。そしたら『神』になる、と。感情に左右されず、自我を捨てなさいということなのだと思います」と野村。仏教と神の関係はさておき、なるほど。目線は低く、部員のあいさつには、足を止め帽子をとって応える。声を荒らげるようなことはめったになく、自主性を重んじるそうだ。

 桜で有名な吉野に近い、奈良…

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