次第になじんだ補聴器 耳鳴りもいつしか忘れ…

有料記事患者を生きる

水野梓
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患者を生きる・眠る「耳鳴り」(4)

 右耳の難聴による耳鳴りに悩まされていた山梨県都留市の落合隆子さん(62)は2017年、済生会宇都宮病院(宇都宮市)の耳鼻科医、新田(しんでん)清一(せいいち)さん(50)から補聴器をつけてリハビリする方法を提案された。

 落合さんのように難聴があると、脳が「今まで通りに聞こう」と興奮して耳鳴りが起こる。補聴器で足りない音を補い、脳の興奮を抑えるのが狙いだった。

 その年の7月、初めて補聴器をつけた。耳に音がどっと入ってきて驚いた。しかし、新田さんからは、入浴や眠るとき以外は「できるだけ補聴器を外さないように」と言われた。最初は不快感があっても、音に慣れていくことで、耳鳴りの症状が改善していくという。

 次の受診時には、言語聴覚士鈴木大介(すずきだいすけ)さん(38)が、補聴器を細かく調整してくれた。補聴器をつけても聞きづらいところ、逆に聞こえすぎてしまう部分――。次第に耳になじんでいくようだった。いつしか、耳鳴りを忘れていることに気づいた。

 3カ月ほど過ぎた10月、補…

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