上皇さまの私的活動、難しい線引き 「二重権威」懸念も

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中田絢子 島康彦

 上皇さまは天皇退位後、すべての公務から退く意向を示している。ただ、前天皇と新天皇が併存することで「二重権威」が生じると指摘する識者は少なくない。

 「権威の分裂が生じる」「憲法に規定された『国民統合の象徴』の機能が低下する」。2016年8月のお気持ち表明後、政府が設けた「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」。専門家の意見を聞くヒアリングではそんな声があがった。

 宮内庁は「象徴の務めから退かれるため権威の二重性は起こりえない」と説明するが、ある幹部は「退位後の過ごし方はお二人の気持ち次第。規定できるものではない」と話す。実際、退位直後から「私的な活動」としての外出に向けた計画が進み、民間から行事や音楽会などへの「お出まし依頼」が宮内庁に続々と寄せられている。

 宮内庁が1月末、代替わり後…

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