拡大する写真・図版 個人向けの融資サービス「Jスコア」の画面を操作する男性

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シンギュラリティーにっぽん

 大量のデータの分析を得意とする人工知能(AI)は、プロフィルなどを使ってその人の「信用度」さえも数字にしてしまう。機械が人間を格付けする「スコア社会」は、日本にも広がるのか。

結婚相手はスコア次第

 姉と一緒に家を探していた中国・北京市の女性(24)は50歳代の男性大家からこう求められた。「あなたたちのゴマ信用のスコアを見せて」

 ゴマ信用は、中国IT大手アリババ集団の子会社アント・フィナンシャル・サービス・グループが4年前に始めた金融サービス。個人の信用が350~950点で表される。

 女性の点数は500点前後とそう高くはない。一緒に部屋を借りる姉が700点前後と高く、女性も有名企業の従業員であることから結局部屋は借りられた。「大家さんはゴマ信用を安心材料にしているようだった」と女性は言う。

 スコアをもらうには身分証、運転免許証、クレジットカード、所有する不動産などのあらゆる個人情報をゴマ信用のアプリに入力する。アリババのネット通販の利用状況のほか、「借金返済の延滞の有無」「資産状況」「学歴」なども合わせ、AIが毎月6日時点でのスコアをはじき出す。

 スコアが高いと、ホテルの宿泊や自転車の共有サービスで保証金がいらず、飲食店などでの割引も受けられる。カナダのビザ申請の資料にもなる。メリットはそれだけではない。

 「お母さんが『うちの娘と恋愛…

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