(勝手に関西遺産)「どぶろく」仕込み? 熟成の低音

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編集委員・小滝ちひろ
【動画】チェロを弾く蔵元、久保本家酒造の久保順平社長=小滝ちひろ撮影
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チェロ弾きの蔵元

 「セロ弾きのゴーシュ」は宮沢賢治。では「チェロ弾きの蔵元」は? 答えは「生酛(きもと)のどぶ」!? うまさが評判の「どぶろく」風にごり酒を生む奈良の酒蔵から、温かな低音の調べが響いてくるんです。

 海外では日本酒ブームだという。国内でも外国人のカップルがワイングラスで楽しむCMが流れている。どうも、お酒は西洋と相性がいいらしい。だからと言うわけではないけれど、奈良県宇陀市の酒蔵にはチェロをたしなむ蔵元がいる。1702(元禄15)年創業の久保本家酒造社長、久保順平さん(56)。けっこう本格的で、落語と日本酒の会で演奏したこともある。

 「意外性があるみたいですね。奈良市内のレストランであったお酒の会でも弾きました。お酒の説明は誰も聞いてくれませんでしたが」と苦笑いする。その時は、高齢の女性客が涙を流して喜んでくれたんだとか。

 そもそも久保さんはロックフ…

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