「死んじゃう」虐待耐えた日々…私にも分かることあるよ

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山田佳奈
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小さないのち 悲しみと歩む

 幼い頃を思い出すと今も体が震え、呼吸が苦しくなる。でも少しずつ、明日が楽しみと思えるようになってきた。あなたの言葉を私は信じるよ。同じ思いをしたわけじゃないけれど、分かることがあるよ。長野市の石坂好恵さん(23)は、虐待やいじめを受けている子どもたちのSOSに耳を傾ける活動に取り組んでいる。

 1歳半のとき両親が離婚した。同居していた祖父母のもとを離れた幼稚園のころから、母の再婚相手である養父の虐待が始まった。

 おなかを蹴られ、雪が降る戸外に裸のまま出された。包丁の背でたたかれて頭から出血したこともある。「お前なんかいらない」「名前もなくていい。今日からごみだ」「いない方が親孝行だ」。自分が逃げたら母に暴力が向かうと思い、耐えた。

 初めて児童相談所に一時保護されたのは小学3年生のとき。顔のあざに担任が気づいて通報した。その後は、自宅に戻されてはまた一時保護される繰り返し。

 5年生のときには、「もういい」と思い、自ら命を絶とうとした。ちらしの裏に「お葬式はしなくていい」と書き、ひもを持って学校の資料室にいたところを担任に見つかった。

母の再婚相手に幼いときから虐待を受けてきた女性。暴力や暴言に苦しめられても、助けてくれる大人はいなかった。大人になった今も心はまだ全然癒えていない。それでも、相談活動を始めた。「私はあなたの言葉を信じるよ」。この思いが、つらい境遇にいる子どもたちの心の支えになればと。

 「親がそんなことをするはず…

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