記者会見が予定された時間の少し前に、東京高等裁判所内にある会見室に行くと、既に母親の定松啓子さんは開始を外で待っていた。こちらに気づくと、「今、終わりました」と言葉少なに語った。安堵(あんど)の笑みはない。会見が始まると、定松さんはやるせない胸の内を語り始めた。
「和解といっても書面のやりとり。心を通わせるものはない。教育委員会の人は目も合わせない。私の怒りは増した。でも、時間がもったいない。そう思いました」
東京都世田谷区の区立小学校で組み体操の練習中に転倒し、後遺症が残ったとして、区内の中学3年の男子生徒が、区と当時の担任に約2千万円の損害賠償を求めた訴訟は11日、和解が成立した。
事故が起こったのは、男子生…
【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら