森を歩けばクロウサギが…奄美や沖縄、自然遺産へ調査

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外尾誠 小坪遊
【動画】「最後の自然遺産」登録へ 現地調査はじまる奄美大島の貴重な自然
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 海によって隔離された島々が希少な固有種や独自の生態系をはぐくんでいるとして、世界自然遺産の候補地になった「奄美大島徳之島、沖縄島北部及び西表島」。来年夏の登録に向け、審査機関の国際自然保護連合(IUCN)による現地調査が11日から始まる。「国内最後の自然遺産」と言われるこれらの地域の貴重な自然を、どう守りながら活用していくのかが、課題となっている。

希少性「オンリーワン」

 月夜の林道脇で黒い影が動いた。短い耳と足にずんぐりとした体。世界で奄美大島と徳之島(いずれも鹿児島県)だけにすむ国の特別天然記念物アマミノクロウサギだ。

 今夏、奄美大島の森に入ると世界的な希少種に次々と出あえた。

 草むらで何度も跳ねたのはアマミトゲネズミ。性別を決定づけるY染色体がないのに雌雄が存在する不思議な哺乳類だ。樹上ではケナガネズミが木の実を探していた。朝には野鳥のアカヒゲやオオトラツグミの美声が聞こえ、ルリカケスやカラスバトが羽ばたく姿もみられた。いずれも国の天然記念物だ。

 木の洞では黄緑の体に金や黒…

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