鹿児島でそうめんは「回る」 ぐるぐる流し器のわけは?

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大崎浩義
【動画】鹿児島流そうめん、回して流して食べる?=横田千里撮影
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なるほどハッケン 九州・山口

 厳しい残暑に食欲もなくなりがちな時期。冷水にさらしたそうめんは、見た目に涼しく、弱った胃にも優しい。そうめんと言えば「流し」だが、鹿児島では水がぐるぐる流れるドーナツ状の容器で楽しむ。一体なぜこんな食べ方をするようになったのか――。

 割った竹を斜めに置き、上から水とそうめんを流すのが「流しそうめん」。一方、鹿児島での食べ方は「そうめん流し」と言う。その発祥の地と言われるのが、九州一の面積を誇る池田湖(指宿市)のそばにある渓谷「唐船峡」だ。ここにある3店舗の中でも、元祖とされるのが「唐船峡そうめん流し」。実は指宿市が運営している。

 渓谷へ向かう階段を下りた先にある店内には、透明なドーナツ状の容器が置かれたテーブルがずらり。その数91卓。案内してくれた市営唐船峡そうめん流しの原村誠主査は「街おこしの一環で始め、現在3店に年間約30万人が訪れる」と教えてくれた。

 水は「平成の名水百選」に選ばれた湧き水を利用。容器の中の水の流れは思ったよりも速い。中央のざるに盛られたそうめんを投入すると、あっという間に固まりがほどけ、生き物のようにぐるぐる回り始めた。箸を差し込むと、あっさりとそうめんをつかむことができる。年平均13度という冷水を巡ったそうめんは、この季節には殊更おいしく感じられた。

 市によると、唐船峡のある旧…

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