西村奈緒美
63年前、太平洋のビキニ環礁で米国の水爆実験に遭遇した静岡県焼津市のマグロはえ縄漁船・第五福竜丸。改修を経て、いまも核被害のおそろしさを伝え続ける船の内部の撮影が13日、特別に許された。建造から70年。傷みは目立つが、当時のままの姿も残っていた。
夢の島公園(東京都江東区)にある第五福竜丸展示館に入ると、見上げるほどの船が目に飛び込んでくる。ペンキがはがれ、外板(がいはん)は傷だらけ。「木造船の寿命は15~20年。敗戦直後から、現存している木造船はおそらく福竜丸だけです」と主任学芸員の安田和也さん(64)は話す。
脇にある階段を上るとフェンス越しに甲板が見えた。高さは約3メートル。安田さんの案内でフェンスをくぐり抜け船の中に入った。老朽化しており、保存のために見学者には公開されていない。
船底にある魚倉は四つ。被曝(…