ロシア極東、夏の訪れ祝う 「世界一寒い地域」の祭り

有料記事

ヤクーツク=中川仁樹
【動画】ロシア・サハ共和国伝統の祭り「イシアフ」=中川仁樹撮影
[PR]

 「ウルイ・アイハル(故郷に栄光を)!」

 かけ声とともに、伝統楽器の口琴(こうきん)ホムスの神秘的な音色に合わせ、みんなで踊る。「世界一寒い地域」と言われるロシア極東のサハ共和国で6月下旬、夏の訪れを祝う伝統の祭り「イシアフ」が開かれた。

 サハの人々にとっては、厳しい寒さが終わった初夏が「新年」。生きていることに感謝し、平穏な生活を祈る伝統行事だ。宗教活動が弾圧された旧ソ連時代にも続けられた。今年はヤクーツクの人口の半分強にあたる18万人が来場した。

 サハ人はアジア系。儀式では、シャーマン(祈禱〈きとう〉師)が火に馬乳酒をかけ、食べ物を置く。サハでは太陽や火、馬など九つの神が信じられており、神の恵みを得るためのお供えとなる。太陽が最高神で、祈りや踊りでは度々、太陽の力を感じ、神に近づくために、大きく上に両手を伸ばす。最後は観客も会場に降り、何重もの輪になって、全員で手をつなぎ、歌を歌いながら踊る。民族の団結を深める意味合いもある。

 こうした精霊信仰など、その…

この記事は有料記事です。残り500文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら