藤井四段、驚異の終盤力 将棋転換期の「空白」埋めるか

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村瀬信也
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 新記録をかけた大勝負。夜になった段階で、藤井聡太四段(14)は「苦戦している」とみられていた。

 だが、そこから驚異の終盤力がベールを脱いだ。遠くの地点まで利きのある角と、意外性がある動きをするため使い方が難しい桂馬を巧みに使ったスピード感のある攻めを見せ、ネット中継を見守っていた棋士たちが「思いつかない」と舌を巻いた。勝勢を確立してから1時間ほどで勝負を決めた。「29連勝」という金字塔を打ち立てた瞬間だった。

 増田四段は「序盤はうまくいったと思ったが。(藤井四段は)中終盤がかなり強かった」と振り返った。

 デビューして、まだ1年に満たない中学3年生がもたらした衝撃は、今や日本中の人たちが共有するものとなった。

 藤井四段は16年ぶり5人目の中学生棋士。当初から有望視されており、4月には、プロ入り初戦からの連勝の新記録を達成した。

 15、そして20……。連勝が伸び、さらに非公式戦ながら羽生善治三冠(46)を破ったことが大きく報じられ、将棋界全体が非日常の状態に突入していった。

 一局ごとに報道陣が押し寄せ、複数のインターネットメディアが生中継をし、結果がテレビで盛んに報じられている。各地の将棋教室には、「初心者向けクラスに入会したい」と問い合わせが相次いでいる。

 そして、26日に達成した新…

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