世界の記者殺害、10年で869人 それでも書き続ける

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森田貴之
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明日も喋ろう:9 @メキシコ

 世界ではジャーナリストの殺害が相次ぐ。ジャーナリスト保護委員会によると、昨年までの10年間で殺害されたのは869人。その前の10年間と比べて約6割増え、ほぼ4日に1人が殺されていることになる。

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 「タクシー運転手や商店主、警察官。街中にマフィアの協力者がいます。何かあれば知らせて、マフィアが動きます」

 北東部のヌエボラレド市の地方紙「エル・マニャーナ」のニンファ・カントゥー編集局長(53)に、そう教えられた。「この街には表現の自由はありません」

 米国国境に接する同市では、住宅や工場、トタン板の小屋、観光客向けの土産店などが混在し、大型トラックが頻繁に行き交う。

 陸路の要衝で麻薬の密輸ルートにもなり、国内有数のマフィアが拠点を置く。2000年代に入り、政府との攻防が激化し、治安が悪化。マフィアにとって都合が悪い記事を書くメディアが脅迫、襲撃されるようになった。この数年の間に新聞やテレビ局、ラジオ局でマフィア絡みの報道は消えていった。

 「町で記者と名乗るな」

 街に入る約1週間前、現地の…

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