(台風被害に学ぶ)高潮の脅威 大阪湾で市民守る大型設備

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佐藤卓史
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 大型台風による高潮から都市をどう守るのか。繰り返し被害に遭ってきた大阪湾では、過去の災害を踏まえた巨大設備が50年以上被害を防いできた。一方で被災の記憶は薄れ、最悪の想定の上を行く超大型台風の来襲も危ぶまれる。高潮の脅威は今も消えていない。

 「昭和36(1961)年9月16日ですね。この道路が、川のようになっていた」。大阪市港区の赤野久雄さん(74)は、20歳で経験した第2室戸台風のことを、正確に覚えている。

 防潮堤を超えて水が入ってきた。水深が10分と経たずに30~40センチになり、20分後には腰から胸に達するなか、近所の家の窓を割って中に取り残されていた子どもを助けた。

 大阪湾の潮位は基準潮位から最大4・12メートル上昇。市中心部の中之島地区でも堂島川があふれ、浸水面積は計31平方キロに達した。

 大阪湾で大被害をもたらした…

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